技術的特異点(テクノロジカル・シンギュラリティ)という言葉を聞いたことがあるだろうか?これまで人類が築き上げてきた技術史の延長線上では予測できなくなる未来モデルの限界点のことを指す。米国の科学者、レイ・カーツワイルを始めとする科学者の一部が、「特異点の後では科学技術の進歩を支配するのは人類ではなく人工知能やポストヒューマンであり、これまでの人類の傾向に基づいた未来予測は通用しなくなる」と主張しており、レイ・カーツワイルは「機械の知能が人類の知能を超える日」が到来するタイミングを2045年としている。一部のSFマニアやギーク達が支持するオカルト科学扱いされた主張でもあるが、2012年にグーグルがレイ・カーツワイルを獲得したことから、にわかに真実味を帯びた話題として扱われるようになり始めた。
この予測の詳細は割愛するが、街を歩いても、電車に乗っても、老いも若きもほとんどの人が必死にスマホを操作している光景は見慣れたものとはいえ、一種異様な光景でもある。異様に思うのは、いわばスマホを手放せない人達というのは、手のひらの小さなデバイスに支配されているように感じるからでもあろう。歩きながらも首をうなだれて携帯に見入り、突進してくる人を危うく避けたというような経験は誰にでもあるだろう。今の段階ではまだ人体とは別体の外部デバイスに過ぎないが、次の段階はこれが身に纏うもの、すなわち、ウェアラブル・デバイスへと置き換わって行く。腕時計タイプのものやグーグル・グラスのようなものだ。ここまではまだ人体の外側だが、さらに次の段階は、いよいよ、チップやセンサーなどが人体の内側に組み込まれる時代が来ると予想される。人間の神経細胞レベルのナノコンピュータデバイスを作って人体に埋め込み、人間の頭脳中枢をコンピュータに直結させて「意識」をコントロールしたり、脳細胞に存在する情報を取り出すようなことも可能になるだろう。
このような予測を肯定する人もいれば一笑に付す人もいる。また、そのような未来が来ることには肯定的でも、それを積極的に受け入れようとする立場と、人類にとって危険過ぎると否定する立場もあるだろう。人間の精神や魂が人類の叡智を凌駕した機械にコントロールされるような未来を生み出さない為にも、そして、人類が人類であり続けるためにも、今後は宗教や哲学や芸術などが科学技術の飛躍的な進化とバランスを保つための実学としての役割をもっと積極的に担っていかねばならないように感じている。このテーマについては今後も追い続けて行きたい。
2014年5月29日
2014年5月14日
一斉休暇と有給休暇: 辻野晃一郎コラム [2014年5月7日配信バックナンバー]
今年のゴールデンウィークも終わりましたが、毎年、メディアでは道路の大渋滞、新幹線や飛行場の大混雑を映し出すおなじみの光景です。旅行サイトのエクスペディアジャパンが有給休暇に関する24カ国の調査結果を発表しています(注釈のリストでは23カ国ですが)。
http://www.expedia.co.jp/p/corporate/holiday-deprivation2013
私は今回初めて見つけましたが、これまで6年連続で調査しているようで、その間、有給休暇の消化率は日本が連続で最下位だそうです。調査対象国の中ではフランスとブラジルが有給休暇支給日数が最も長い30日で、消化率も100%とダントツで、「やっぱりそうだろうな」という印象です。スペインがそれに続いていますが、次回はギリシャなども調査対象に加えて欲しいものです。意外とアメリカは支給日数が14日と日本よりも少なく、消化率も71%とハードワーキングです。
下の方をみると、「現在の仕事への満足度」においても日本は最下位となっており、一言でまとめてしまうと、「有休も取らずによく働くが仕事への満足度は低い」、という結果です。みんなが一斉に休む国民の祝日には休み易いが、個別に休みを申請する有休は取りにくい、ということでここにも周囲の状況に合わせることを好む国民性が出ている気がします。
もっと仕事もプライベートも充実させて、仕事への満足度も高めて行くためには、国民の休日のような一斉休暇は減らして有給休暇を増やし、有休を取りやすい環境整備をしていくことが必要なのだと思います。これは、国や社会や会社だけでなく、働く人達一人一人の意識も変えていかねばならない問題だと感じました。
皆さんはどう思われますか?
http://www.expedia.co.jp/p/corporate/holiday-deprivation2013
私は今回初めて見つけましたが、これまで6年連続で調査しているようで、その間、有給休暇の消化率は日本が連続で最下位だそうです。調査対象国の中ではフランスとブラジルが有給休暇支給日数が最も長い30日で、消化率も100%とダントツで、「やっぱりそうだろうな」という印象です。スペインがそれに続いていますが、次回はギリシャなども調査対象に加えて欲しいものです。意外とアメリカは支給日数が14日と日本よりも少なく、消化率も71%とハードワーキングです。
下の方をみると、「現在の仕事への満足度」においても日本は最下位となっており、一言でまとめてしまうと、「有休も取らずによく働くが仕事への満足度は低い」、という結果です。みんなが一斉に休む国民の祝日には休み易いが、個別に休みを申請する有休は取りにくい、ということでここにも周囲の状況に合わせることを好む国民性が出ている気がします。
もっと仕事もプライベートも充実させて、仕事への満足度も高めて行くためには、国民の休日のような一斉休暇は減らして有給休暇を増やし、有休を取りやすい環境整備をしていくことが必要なのだと思います。これは、国や社会や会社だけでなく、働く人達一人一人の意識も変えていかねばならない問題だと感じました。
皆さんはどう思われますか?
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