2014年3月17日

常に当事者意識で生きる、ということ : 辻野晃一郎コラム [2014年3月10日配信バックナンバー]


一流ビジネススクールの多くの卒業生が伸び悩む、ということが様々な調査で明らかにされているそうだ。その理由は、順風満帆にやってきた頭のよい人達は、往々にして失敗を知らず、そのため、失敗から学ぶということを学んでいないからだ、と言われている。
失敗から学ぶ代わりに、彼らは失敗の理由について根本的な間違いを犯す。つまり、物事がうまく行ったら自分が天才だからだと思い、うまく行かなかったら、誰かが間抜けだからだとか、リソースが得られなかったからだとか、または市場が変わったからだなどと言う。失敗の原因を周囲に求め、謙虚さや当事者意識が弱いのだ。
成長する人というのは、常に謙虚で、どんなことからでも学んだり吸収する力が強い。それは当事者意識、すなわち何事も「自分事」に帰結して考える能力が高いからだ。目に見えることや、聞こえること、人の話や体験を、「自分のこととして考える」ことが「学ぶ」ための基本姿勢であることを知っている。身の回りで起きていることに思いを馳せれば、実はこの世のすべての事象はつながっていて、他人事なんていうものはない、ということに気付く。インターネットの時代になって、ますますその思いを強くしている。
私が心から敬愛する友人から聞いた話であるが、スウェーデンの中学校の社会の教科書のタイトルには、「You own community」と書かれていて、教科書の冒頭に、「学校の任務は、生徒ひとりひとりが、みずからの将来を築くという困難な仕事に向き合う導きをすること」だと明記されているそうだ。何事も、自分事として考えることが出来なければ、学ぶことなどできない、ということなのだと思う。

他人事的で他責や他罰の態度を完全に捨て去り、目の前の課題や厳しい現実から逃げず、当事者、自分事としてそれらに正面から対峙し、果敢に挑んでいく勇気や態度や行動力さえあれば、その人の成長は保証され、おのずと結果も付いてくるものであると思う。

辻野晃一郎コラム


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2014年3月1日

ネットでの攻防: 辻野晃一郎コラム [2014年2月22日配信バックナンバー]

個人名が公になっている人は、ネットなどで突然思わぬ攻撃を受けることがあると思うが、私もtwitterなどで、「これはいくらなんでもひどい」と感じる一方的な攻撃を受けることがある。大抵の場合は黙殺するのだが、たまにこちらも虫の居所が悪い時など、敢えて乱暴な言葉を使って反撃を試みることもある。そうすると、今度はまた寄ってたかって「聖人君子」や「正義の味方」が次々と登場してきて、更にさまざまな攻撃に晒されることになる。いわゆる炎上というやつだ。それでこちらもバカバカしくなって離脱すると、今度は「逃げた」とか、更に散々な罵詈雑言を浴びせ掛けられる。

こちらは、もともと公人として実名を晒しているわけだから、どこに逃げも隠れもしようがないし、そもそも、このようにネットでありったけの罵詈雑言を浴びせ掛けてくる人達は例外なく匿名で、この人達こそ最初から逃げ隠れしている人達なのであるからそれこそ笑ってしまう。そして、この人達は、自分勝手な思い込みに基づいた解釈で言うだけ言って気が済むと、場合によってはご丁寧に一連のやり取りのまとめサイトなどを作り上げ、その後、徐々に収束していく。まるで自分達が勝ち誇ったかのように勘違いしているのだろう。

それにしても、いきなり公衆の面前に引きずり出されてバッシングされる側にしてみれば、たまったものではない。しかし結論は、実名を晒している人は、どんな理不尽な攻撃を受けても、匿名の人達からの執拗な攻撃からは逃げようがないのであるから、結局さまざまやってみても、時間の無駄なのである。

だから最後に思うのは、坂本龍馬の言葉、「世の人は我を何とも言わば言え 我が成す事は我のみぞ知る」なのであり、自分の鈍感力を鍛えるしかない、ということでもある。そしてこれからも、実名で正々堂々と自分の信念に基づいた行動と発言を続けて行こうという決意を新たにするのである。

辻野晃一郎コラム

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