2014年2月16日

クラウドファンディングで選挙資金集め: 辻野晃一郎コラム [2014年2月9日配信バックナンバー]

2月9日(日)は猪瀬さんの辞任で急遽行なわれることになった東京都知事選挙の日です。この原稿を書いている段階ではまだ結果はわかりませんが、この選挙で私が注目した一つの現象は、クラウドファンディングで選挙資金集めをする候補者が出現したことです。

その候補者は、メディア等で「その他」扱いされる主力候補4名以外のいわゆる「泡沫候補」の一人である家入一真氏です。ご本人も当選するとはまったく思っていないでしょうし、インターネッ党などと、どこまで本気なのか冗談なのかもわかりません。立候補の目的も、そもそも政治に関心があるのかさえもわかりませんが、ネットを駆使し、ホリエモンの応援も得て、ニートの人達など、他の候補にはまったくないユニークな目線を代表した存在であるのは間違いないでしょう。

家入氏は、ご自分でもキャンプファイヤーというクラウドファンディングの事業を手掛けている起業家ですが、あえてシューティングスターという別のクラウドファンディングを使って選挙資金を集めています。こういう着想はやはり素晴らしいと思いますし日本の選挙の常識に一石を投じるアクションとして貴重です。

今回の選挙で彼が想定以上の支持を集めたりする現象が起きると面白いな、と心密かに応援しています。年齢的にも、いわゆる主力候補4名がすべて65歳以上のご高齢なのに対して、35歳と圧倒的に若い存在でもあります。

東京都にはいろんな人達が集まっているわけですから、「標準的な人達」が拾えない声や見えない課題をもっと主張して、新たな論点を提示してくれると選挙戦も少しは盛り上がるのに、と思いますが、あまりにも時間がなさ過ぎるのが残念です。それでも、家入氏はツイッターやフェイスブックで意見を集めて、それを120の政策提言にまとめたりもしていて( http://ieiri.net/policy/ )そのやり方も今風です。政治に若者の意見を反映する、という以前に、若者にまずは意見を出させる機会を作ったことも評価できると思います。

ちなみに、グーグル検索の累計件数は、2月9日の昼の時点で、「舛添要一」が662万件、「細川護煕」が236万件、「田母神俊雄」が165万件、そして「宇都宮健児」は269万件です。その中で「家入一真」も184万件と健闘しています。グーグルトレンドでの過去7日間の人気度は、やはり2月9日の昼の時点で、舛添氏、細川氏、家入氏、田母神氏、宇都宮氏の順になっています。

検索結果からも、舛添氏の当選は最初から明らかです。今回の都知事選は経緯からいっても盛り上がらない選挙の典型で、あえて拾った話題が上記の家入氏の立候補くらいですが、こんな選挙で今後4年の都政が決まってしまうのですから、世の中とは極めていい加減なものです。

辻野晃一郎コラム

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2014年2月2日

冬の起業応援フェスタ: 辻野晃一郎コラム [2014年1月26日配信バックナンバー]

この土曜日には大阪産業創造館で開催された「冬の起業応援フェスタ」というイベントに協力しました。キーノートスピーチやパネルへ参加したのですが、あらためて関西の皆さんの熱気を感じることが出来ました。昨年の7月から大阪のグランフロント大阪・ナレッジサロンを利用するようになってから、関西の方々との出会いの機会が増え、弊社のCOUNTDOWNへも関西の方々のチャレンジエントリーが続いています。

なんだかんだ言っても、今ほどチャンスに恵まれた時代もないと実感しています。コンピュータのテクノロジーが素晴らしく発達したお陰で、誰もがスマホ一台あれば低コストでその限りない恩恵にあずかれ、また、インターネットに繋がった世界中の人達と時間差無しに交流も出来れば協業も出来る時代です。こんな時代に古いスタイルや従来の延長線上にとどまって保守的な生き方に閉じこもっているのはもったいないと思います。もちろん、冒険やチャレンジに向いている人もいれば、向いていない人もいるので、誰彼かまわずやみくもにチャレンジや起業を煽るのはナンセンスな話ですが、冒険好きで、腹が据わっていて、忍耐力があり、我こそは!と思う人は、どんどん新しいことに挑戦すれば、失敗を重ねながらも必ず新しい道を開拓していくことが出来ると思います。

それと、今回感じたのは、大阪弁のパワーです。パネルのファシリテーターの本田さんがコテコテの大阪弁で絶妙の進行をしてくれたお陰で会場とも一体となって大いに盛り上がりました。ちょうど翌朝のTBS系列のTV番組「がっちりマンデー」を見ていたら、「九州通販王国」というテーマで、博多弁や鹿児島弁でのセールストークをセールスアップに繋げている複数の企業を取り上げていましたが、標準語では絶対に出せないニュアンスを出せる大阪弁を始めとする方言の力というのもあなどれないと実感しました。

今回もさまざまな素晴らしい方々との出会いに恵まれた実りの多い機会となりました。主催された大阪産業創造館の皆様や、協力された起業家の方々、また会場にお集まりいただいた皆様との出会いに感謝しています。ありがとうございました。

左から、本田勝裕氏、岡田充弘氏、辻野、小間裕康氏

辻野晃一郎コラム

このエントリーは 2014年1月26日 配信の ALEXコーポレートメールマガジンのバックナンバーになります。メールマガジンの購読を希望の方はこちらのフォームからお願いいたします。