2013年12月19日

ロボットがお届け・自動化した究極のEC: 辻野晃一郎コラム [2013年12月12日配信バックナンバー]

先日、アマゾンのCEO ジェフ・ベゾスがPrime Airの構想を明らかにしたが、こういう着想は本当に素晴らしいと思う。あらためて、起業家とは、このようなファンタジーを現実のものにして行く実行力のある人のことを言うのだと思う。下記のプロモーションビデオで明らかなように、技術的には既に可能な話で、後は連邦航空局の認可や安全対策など、細々とした課題を克服していけばウェアハウスから一定の距離以内では、基準内の荷物に対して十分に現実的なソリューションになりそうだ。発表によると、最速で2015年までの実用化を目指すそうだが、このような配達ロボットを導入することによって、最終的には、受注から配達までが一気通貫で高度に自動化した究極のECが実現する。

http://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=8037720011

このような宅配ロボットはドローンと呼ばれているようで、アマゾン以外にも数社が異なるドローンを提案しているようだ。下記は、Skycatch社というところが提案しているドローン。

http://vimeo.com/78997627

オックスフォード大学の発表の中に、今後20年で現在の雇用の50%が無くなる、というレポートもある(THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?)。現在、人が行っている労働集約的な仕事はコンピューターやロボットに置き換えられて行く流れが本格化していく、という予測だ。このレポートの中でも、置き換えが最も進む領域のリストに、「Transportation & Material Moving」という項目がある。グーグルが無人走行車の実用化で先行しているのも周知の通りで、最近の発表によると、グーグルでAndroidを立ち上げた立役者のアンディ・ルービンが新しいミッションとしてロボット開発を担当しているらしいこともわかっている。

もちろん、アマゾンの構想については、楽観的過ぎるという懐疑的な見解もあるが、マイクロソフトのビル・ゲイツも、「アマゾンのドローン配達システムは、被災地などへの輸送にも非常に有効であり、人々が考える以上にインパクトのあるものだと考えている。ベゾス氏は、批判的な意見に屈することなくドローン配達サービスを実現させて欲しい」とコメントしている。また、アマゾンとはライバルであるイーベイのCEO ジョン・ドナホも、「実現の難易度が高いことに挑戦することには賛成で、企業にとってイノベーションはとても重要なことだ」と述べている。

アマゾンもグーグルもまさにとどまるところを知らない勢いで未来を手元に引き寄せ続けているが、この二強に根こそぎ持って行かれないように、日本勢も頑張らねばならない!!

辻野晃一郎コラム

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2013年12月2日

関西から日本を元気にする集い: 辻野晃一郎コラム [2013年11月25日配信バックナンバー]

先週の金曜日に大阪のリッツカールトンホテルで開かれた「関西から日本を元気にする集い」に参加しました。これは、テレビ番組「賢者の選択」を制作している矢動丸プロジェクトの前田社長が、番組継続10周年を記念して主催された催しで、関西から日本を元気にしよう!、というノリで、番組に出演した各界の経営者や、関西を拠点に活動する起業家、番組関連者を集めた賑やかな会でした。

基調講演に立たれた建築家の安藤忠雄さんのお話は、出身地である大阪に対する安藤さんの愛情があふれる内容で、行政や時の首相にまで掛け合って大阪の街を活性化させた取り組みの数々を裏話とともに聞かせていただきました。また、大和ハウスの樋口会長のお話しからは、大和ハウスを2兆円起業にまで育て上げた創業者の石橋さんと後を継がれた樋口さんの経営哲学を垣間見ることが出来ました。

前にもこのコラムで書いたことがありますが、大阪の街は人情味に溢れ、商売のセンスに長けた人も多くて、弊社もグランフロントに拠点を設けてからは関西の方々とのさまざまな出会いの機会に恵まれるようになりました。京都に行けばまた大阪とは違った古都の魅力に溢れていて外国からのお客さんも多く、まさに関西は日本を元気にする要素をたくさん持ち合わせている地であると認識しています。

成熟国家としての日本は、東京一極集中から脱却して、日本全国の各地が長い年月の中で熟成させてきたそれぞれの地域の強みや持ち味やエネルギーをあらためて組み立て直しながら新たな国のスタイルを創り上げて行く、そんな時代に入っているのだと思います。

辻野晃一郎コラム

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