2013年10月2日

闘争心: 辻野晃一郎コラム [2013年09月25日配信バックナンバー]

産業界における日本の国際競争力がひと頃に比べて後退しているのは、いつ頃からか闘争心が希薄になってきたことが要因の一つだと感じている。競争に負けても悔しいとも思わない。2番手、3番手に甘んじていてもあまり気にしない。ゆとり教育なるものが導入された当時は、競争は良くないことだ、という発想もあったようでそういうことも影響しているのかもしれない。

競争は世の中の発展のためには欠かせないものだ。競争がなければ個人も企業も決して強くなることはない。そしてその競争に勝ち残っていく為の一番の要諦は、心の奥底にどれだけ強い闘争心を持ち続けられるか、ということに尽きるだろう。自分が他者の後塵を拝したり、先を越されてしまった時に、地団太踏んで悔し涙を流し、歯を食いしばって「こんちくしょう、今に見てろよ」というレベルの桁外れの闘争心がない限りは競争には決して勝てない。まさに「やられたらやり返す」「倍返し」の闘争心だ。

自分の周囲を見回しても、そのような闘争心の持ち主は極めて稀だ。競合相手にやられていてもヘラヘラしている。会社が業績不振でも我関せず。国家が辱めを受けてすら別になんとも思わない。捲土重来を期して昼夜を問わずにその日の為の準備に余念のないような強烈な闘争心の持ち主達は一体どこを探せばいるのだろう。。。そういう人達を探し出して来て一緒に仕事をしたい。そもそも、闘争心とは、教育や経験などで育むことが出来るものなのだろうか?多分に先天的な気質によるものだと感じる。

アスリートの世界では勝ち負けがわかりやすい。4年に一度のアスリートの大会が7年後に東京で開かれる。それまでに日本という国の健全な闘争心が高まっていることを心から願っている。

辻野晃一郎コラム

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