ところで、右傾化を憂える論調がありますが、私は軽々に右傾化という言葉を使うべきではない、という意見です。ナチスドイツや旧日本軍部等、国が乱れると右傾が始まる、というのは歴史の常ですが、現在の状況は、民主党があまりにも無能で外交面でも大きく後退し、特に鳩山さんの迷走で日米関係が大きく傷ついてしまい、その為に、中国やロシアや韓国に付け入る隙を与えてしまった、ということがまず背景にあるのだと思います。その為に、尖閣問題や北方領土問題、竹島問題が一度に再燃し、それを契機に、国民の国防に対する危機意識が高まった、ということです。そういう意味では、右傾化を憂える以前に、平和ボケしている我が国の国防に対する意識や領土保全に対する意識がようやく目覚めたに過ぎない、というレベルの話だと感じています。本来、国防や領土の保全は国のアイデンティティを考える第一歩ですから、国民の意識が高まって議論が盛り上がるのはあるべき姿と言えます。
いずれにしても、ようやく3年余りの政治の混迷に終止符が打たれて、新しい国造りが始まるこのタイミングはとてもエクサイティングですし、誰にとっても他人事ではありません。今後の政権運営に注目して行きたいと思います。
辻野晃一郎コラム
このエントリーは 2012年12月10日 配信の ALEXコーポレートメールマガジンのバックナンバーになります。メールマガジンの購読を希望の方はこちらのフォームからお願いいたします。