工業製品で世界の経済大国に上り詰め、made in Japanブランドを確立した我が国ではありますが、それもすっかり昔話となってしまい、国際社会における我が国の存在感はここ最近、急速に薄らいで来ています。特に2011年3月には未曽有の震災にも見舞われ、まさに歴史的な国難ともいえる状況に直面する中で、私が在籍した家電産業を始め、国家の経済発展を牽引してきた主力産業分野においても苦境が目立っています。
まさに今、これからの新しい産業の機軸を打ち立てねばならない重要な局面にありますが、我が国にとって可能性のある分野は20世紀後半に頑張った工業製品の製造業以外にもエネルギー分野や医療分野など、たくさんあると思います。いわゆる生活文化産業を輸出産業に転換するというテーマもその中の一つですが、残念ながらフランス、イタリアなどに比べると輸出産業としての本格的な展開が遅れていると感じています。今後、酒、食、ファッション、観光、美術、芸術、工芸品などのマーケットを世界を意識して広げていく努力は我が国の国家戦略としても非常に重要なものと感じており、弊社もその中で引き続き頑張って参る所存です。
辻野晃一郎コラム
このエントリーは 2012年9月10日 配信の ALEXコーポレートメールマガジンのバックナンバーになります。メールマガジンの購読を希望の方はこちらのフォームからお願いいたします。