2013年3月17日

デザインと経営を考える会:辻野晃一郎コラム [2012年07月25日配信バックナンバー]

先日、富山県総合デザインセンターから招聘いただき、地元企業の経営者の方々を集めて朝会として行われている「デザインと経営を考える会」のゲストスピーカーとして弊社の取り組みの紹介などをしてきました。 せっかくの機会でしたので、桝田酒造の桝田さん始め、和紙、ガラス工房、焼き物工房、富山近代美術館なども回ってきました。近代美術館ではちょうど世界ポスタートリエンナーレというのをやっていて素晴らしい作品をたくさん見ることが出来ました。


富山市はコンパクトシティ構想の下、街並みの整備が続けられてきたそうですが、市の中心を流れる神通川に沿った運河や環水公園などが非常にきれいに整備されおり、運河では大学のボート部が練習していたり、また、市内にはポートラムというトラム(市電)が走っていたりで、ドイツなどヨーロッパの街並みを思わせるような雰囲気がありました。

満寿泉(ますいずみ)ブランドで全国的にも有名な富山を代表する蔵元の桝田さんには、桝田酒造のある岩瀬地区の案内もしていただきました。岩瀬は北前船と言われる北海道との交易船の拠点として廻船問屋が栄えた地ということで、桝田家も初代は北前船に乗って北海道で酒造業を始めたのが起源だそうです。その後、岩瀬に戻って、満寿泉で大成功され、今の代の桝田隆一郎さんもこの地域の再開発や地域振興事業などに大変な尽力をされている地元名士の一人です。岩瀬の街並みは、建物の通りに面した表側を地域単位で改装して、江戸時代の古い街並みを再現しており、そこにギャラリーや工房やレストランや酒蔵などを作って全国から若手のクリエイターなどを呼び込んでおり、とてもいい雰囲気のクリエイティブなコミュニティが出来上がっています。ガラス作家の安田泰三さん、越中瀬戸焼作家の釈永岳さん等にもお目に掛かりました。


少し古い記述のようですが、桝田さんの取り組みや岩瀬の町については江戸川大学の先生の記事に詳しくありますのでご興味があれば参照してください。

偶然ですが、現在の富山県総合デザインセンターの大矢所長は、昔ソニーのデザインセンター長をしておられた方でもあり、その前もやはりソニーの黒木靖夫さん(故人)が勤められていたということで、いろんなところで人の縁が繋がっていることを非常に面白いと思いました。

そうそう、最後に、地球をかたどった帽子をかぶる石川華代さんという不思議な女性にも出会いました。私も日頃「地球目線」を意識しているので、思わず反応してしまいましたが、世の中には本当に楽しい人達、さまざまなチャレンジをしておられる人達がたくさんいらっしゃるものだと感心しました。


辻野晃一郎コラム

このエントリーは 2012年7月25日 配信の ALEXコーポレートメールマガジンのバックナンバーになります。メールマガジンの購読を希望の方はこちらのフォームからお願いいたします。