2012年5月21日

雨の恵み屋久島

1997年に日本初の世界自然遺産の島として認定されて以来、絶大な人気を誇る屋久島。今年の連休中は、一日に最大1200人が日本一太い縄文杉を目指して歩いたそうです。
屋久島は「月に35日も雨が降る」と言われるように、平地で年間4000ミリ前後、山頂部では約10,000ミリもの雨が降ります。
先週、仕事で2年ぶりに屋久島を訪れた日も雨でした。
一時は鹿児島空港から飛び立った小型の飛行機が着陸できないかもしれないというほど。
しかし、予報に反して、屋久島空港着陸時には、霧も晴れ、雨も小やみになっていました。
取材旅行に雨は天敵ですが、屋久島は雨がとても“自然”なのです。

圧倒的な降水量を生かして、屋久島では年間発電量のうち、98.8%を水力発電が占めていることをご存じですか?
水力発電ではCO2が発生しないため、エネルギー面でもクリーンな屋久島に注目が集まっています。
最近では町を上げて、電気自動車を積極的に導入し、急速充電設備を整え、CO2フリーの島づくりに取り組んでいます。
私も電気自動車に乗せてもらったのですが、世界遺産の一部である西部林道を走っている時、窓を開けてもガソリンの匂いがせず、シダや苔の匂いをダイレクトにかげることに感動しました。
森の息吹と鳥の鳴き声は、頭の芯に響き、心を癒してくれます。緑色の風を吸い込み、しぼんでいた自分が徐々に膨らんでいくのを感じました。

道の駅やお土産もの屋さんで売られている屋久杉の加工品。現在は倒木や土埋木の一部しか使えないため、大変貴重なものです。
それだけに、ほんの小さなマスコット程度のものか、コースターやお箸など、あまり目新しいものは見つかりませんでした。

ALEXCIOUSで扱っているiPhone4/4S Timber Skin シリーズに屋久杉を使っているものがあります。木肌を生かしたシンプルなデザインとフィット感の良さで、ご好評をいただいています。

 iPhone4/4s Timber Skin

雨を恵みとし、長い年月をかけてゆっくり育つ屋久杉は、困難に負けず、少しずつでも成長し続けていくことの尊さを教えてくれるような気がしました。

越山昌美