2012年3月26日

梅見の頃

やっと暖かくなり、春の兆しが感じられます。そろそろお花見の季節も近づいてきました。 お花見というと、やはり桜ですが、梅見も、なかなかおつなもの。先日、奈良は月ヶ瀬村まで梅見に行ったという人から、山すそがピンクのグ ラデーションになって、馥郁たる香、しかも、鶯がよく鳴いていた、という報告がありました。梅に鶯、実に絵になる光景です。梅は、桜より一足早く、春寒の候から咲きはじめる、春を告げる花です。親しみやすい庶民的な?花ですが、その種類は300種類以上もあるそうです。そして、そのすべてに、素敵な名前がついているのだそう。月影、柳枝垂れ、大盃、入日の海、緋桜梅、夏衣、大牡丹…。『薔薇の名前』という、秘密に満ちた中世の修道院が舞台の、イタリアの小説があります。いかにも、それらしいタイトルだと感心しますが、薔薇を梅に置き換えると、途端に、なんだかのどかな田園風景が浮かんできます。梅盆栽の造形美にはまっている梅愛好家も多いそうです。香りも奥深い梅について知れば知るほど、梅見がさらに楽しくなりそうです。

森山