はじめまして!
1月から、ALEXCIOUSのコンテンツ編集を担当するようになりました越山です。
編集プロダクションや出版社などで編集者を務めた後、
一昨年4月にフリーランスになりました。
その時、長年仕事で拘束されていた平日に、なにかお稽古をしてみたい、と思い始めたのが“着付け”です。
高校時代は茶道部に所属し、その後20代の時には、勤め先の美術館でお茶をたてなくてはならなかったために、裏千家のお稽古に通っていました。
お茶会には着物を着ていましたが、当時は着付けのお稽古に母が通って、姉妹ふたりの着付けをしてくれてました。
それから長いブランクがあり、夏に浴衣は着てましたが、着物は自分で着られる自信はありません。
母も年老いてきており、このままでは、かなりの枚数になる自分の着物が着られなくなる…と思い、一念発起して、着付け教室に通うことにしたのです。
私が通った教室では、着付けの手順の指導と並行して、産地ごとの織や染めの歴史、その違いなどを勉強するセミナーがありました。
以前、女性誌の編集部に所属していた頃、染織を取材したこともあり、日本の織物や染め物の素晴らしさに感動した記憶がよみがえってきました。
日本が誇る染織の技術を極めた、伝統工芸品である着物や帯。
それを身につけることこそが、伝統工芸を守りたいという意思表示だ!という錦の御旗?!をあげて、西陣織や博多織の帯、江戸小紋や小千谷縮、大島紬などの着物をつくりました。
“着物熱”にやられたような日々は、やや高めの平熱に落ち着きながら、いまだに続いています。
生来、不器用なため、着物の格に着付けの技術が追いつかないのが最大の悩みですが、とにかく着て、町に出てみるのが大事だと先生からも言われ、恥をかけばその分、またうまくなろうと努力する、と信じて、週1回は着物を着るようにしています。
着付け教室の仲間と連れだって、着物で町を歩くと、見慣れているはずの東京の町が、違って見えてきます。
「この町は着物で散歩すると映える背景がいっぱいあるなぁ」
「あの古民家カフェには紬の着物で行きたいわ」
先日、谷中に出かけた時は、7人もの女子が全員着物なので、入った喫茶店のオーナーが「お店が一気に華やかになった」と喜んでくれました。
日本の伝統衣装である着物が、戦後、アメリカ文化の影響もあり、一気に洋装にとって代わられ、いつしか、“着付け”を習わなくては着られなくなってしまったことは残念です。
でも、一度ノウハウが身につけば、けっこう着られるようになるものです。
素材や柄、色を吟味し、季節感を取り入れ、コーディネートのテーマも設定できる。
洋服を着るのとはひと味違う、着物ならではの楽しみにはまる人が、まわりにけっこう増えてきています。
最近は、時代劇の衣装がとても気になります。
そして、日本独自の染織や文様を生かながら、今の暮らしにしっくりとなじむモダンな小物を見つけるとワクワクします。
着物を着て、そんな素敵なモノたちに遭遇できるのが、いっそう楽しみになってきました。
今週末は湯島を散策する予定です。
なにか新たな発見ができたら、ご報告しますね!
越山昌美
下写真は谷中散策で立ち寄った、旧安田楠雄邸です。現在はナショナルトラストが管理しています。
着物姿が映える素敵な建物でした。