2011年10月16日

Trip Report

代表取締役社長兼CEO 辻野晃一郎

先日、金沢市と高岡市へ行ってきました。ALEXCIOUSでも御紹介している九谷焼の鏑木さんのアレンジで、金沢市主催の「おしゃれメッセ2011」というイベントに金沢市からご招待いただいたのですが、その機会に合わせて、近くの高岡市も訪問しました。

古都で有名な金沢市ですが、日本の文化の発信拠点の一つであることを改めて認識する非常にいい機会となりました。鏑木さん主催のイベントも開かれていて、「酒、食、器」ということがメインテーマでした。長年、先端テクノロジーや工業製品、インターネットの業界で過ごしてきた無粋者の私にとっては、あらためてこの世界では自分が異端児であることを感じましたが、逆に異文化同士の協業から新しい潮流を生み出すことが出来ると確信しました。

それにしても、同じ酒でも器の選び方一つで味が全く変わる、ということを論理的に説明いただいた上、実体験出来たことは興味深く、そういうことを深く掘り下げて研究している人達がこんなにたくさんいるとは実に驚きました。いわゆる、高名なワインアドバイザーや日本酒アドバイザー、フードコーディネーターの方々も多数いらしてましたが、酒や食や器を楽しんでいる人達は何とも贅沢に思えました。ある方はこの業界を「幸福産業」と呼んでおられました。会場では、鏑木さんからの御紹介もあって、今後いろいろと協力いただけそうな人達との新たな出会いもあり、また、日本酒の蔵元の方々の知り合いも増え、今後のALEXCIOUSでの商品展開で金沢発のものをもっともっと増やして行きたいと思いました。

高岡市では、ナガエの青井さんのアレンジで、モメンタムファクトリーの折井さん、シマタニ昇竜工房の島谷さんを訪ねました。折井さんはまさにイノベーター、島谷さんは、高岡伝統産業青年会の会長もやっておられるので、両方とも非常にいい出会いになったと感じています。島谷さんは寺院に納める大きなリンを手作りで作っている職人さんですが、甲(かん)、乙(おつ)、聞(もん)という3つの波長のバランスを耳だけで聞き分ける、という話を実演してくれて非常に面白かったです。こういうことを知ると知らないとでは、寺院のリンや鐘の音を聞く時の聞き方も全然別のものになると思いました。

また、能作の工場を訪問しましたが、能作さんがパイオニアとなって、後に続く若い人達が連携して高岡で頑張っている姿には素晴らしいエネルギーを感じました。日曜日の訪問となったので稼働している工場を見ることが出来なかったのは残念でしたが、それでも能作克治社長の熱心なご案内で、能作さんの取り組みの真価を十分に味わうことが出来ました。ホームページを担当されている英語も堪能な女性社員の方が、ALEXCIOUSのサイトの商品説明の文章で、「言葉一つで商品から受ける印象がこんなにも変わるのだ、ということを勉強している」、とおっしゃって下さって励みにもなりました。

日本の地方には世界に通用する優れたイノベーションやタレントが他にも沢山存在しているだろうと思いますし、これからも一つ一つの出会いがとても楽しみです。