2011年8月29日

お茶会

三菱一号館美術館で開催されていた「もてなす悦び―ジャポニスムのうつわで愉しむお茶会」に行って来ました。19世紀後半に西洋で作られたジャポニズムの陶磁器、銀器、装飾品を中心とした展覧会です。ティーカップ&ソーサーも、お茶を飲むことも大好きな私にとって、見ているだけで心が満たされる美しい展示でした。一室では、ジャポニズム茶会のテーブルセッティングが華やかに再現され、まるで実際にお茶会に招かれたような気分になりました。素敵な演出です。

1867年のパリ万国博覧会への日本館出展を機に広まったヨーロッパ全土での日本美術のブーム。いっときのブームにとどまらず、30年ほど続いたようですが、この「ジャポニズム(日本趣味)」と言われる現象が、長い鎖国の終わりとともに広まったのは、自然な流れなのかもしれません。日本独特の芸術表現や自然のモチーフを生かした日常使いのジャポニズムが、当時の欧米の人々の生活にこれほどまでに浸透していたのかと、驚きとともに感慨深いものがありました。作品の一点一点から、日本文化に対する愛着や憧れを感じました。当時、彼らは社交の場アフタヌーンティーで、日本の着物生地のティーガウンを身にまとい、日本文様が施された食器を手に取りながら、どんなことを語り合っていたのでしょうか。優雅な会話が聞こえてきそうです。

今、“クールジャパン”ブームといえば、日本のアニメやJ-POP音楽などのポップカルチャーですが、まだまだ世界では知られていない文化的な魅力や伝統工芸品も、もっと世界に広まらないかな~と思案しています。目指すは、アニメや漫画だけではない「21世紀版ジャポニズム」です。

森山