2011年2月28日

情報統制のできない時代

先週末あたりから、ようやく日本のテレビカメラも入り始めたリビア。
英語での情報量に比べるとほとんど情報遮断されているかのような状況の日本でしたが、そんな中、モーリー・ロバートソンさんという方がリビアの現状をまとめてくれています。恐らく、これこそが最も事実に近いのでしょう。 
http://groovejapan.jp/videos/07/ 


リビヤでのガタフィ政権による虐殺は、空爆だけではありませんでした。なにかというと、装甲車両や航空機などの機銃に装填される12.7mm弾。本来ならば車両などに対して使用されるべき威力の武器までもが、武器を持たない一般市民に対して使用されてしまっているようです。無論過剰攻撃であり、許されるものではありません。(それが通常の銃器であってもですが)
インターネットが遮断され、衛星テレビの受信もブロック、また一時は携帯電話までも遮断された状況下。そんな中でも、Twitterから時折入ってくる「通常の小銃ではなく、重火器が民間人に向けて使用されている」というつぶやき。デマである可能性も十分考えられる中、徐々に入ってきた現地の写真・映像。
私も一部確認しましたが、残念なことに、それらは虐殺を裏付けるものでした。政権を非難する側に回ったリビアのダバシ国連次席大使やアブドルジャリル法相が訴えた通り、そこには無残なまでに攻撃を加えられた、一般市民と思われる人々の姿がありました。


このような虐殺とも言える行為は、10年前であれば歴史の闇に葬られることが常でした。そして、虐殺をチラつかせることによる恐怖政治も可能であったことでしょう。
しかし、いまや時代は違います。
この写真はたしか2週間ほど前、イエメンの大学生によるデモが始まった頃の様子です。
いまFacebookやTwitterを片手に、アラブ諸国の人々が叫んでいること。


それは


"We need Freedom!"


ネットによって、どんな貧しい地域の人々も、他の豊かな国の文化に触れることができるようになりました。
ネットによって、今まで暗闇で行われてきた腐敗した政治の一部が明るみに出るようになりました。
独裁者にとって、これほど恐ろしいことはありません。。


独裁政権が倒れたからといって、人々はすぐに幸せになるとは限らず、また貧困問題は解決しないでしょう。利害を対立する国との緊張関係はなくならないでしょう。
しかしその中で、弛まぬ努力とコミュニケーションにより、一刻も早く平和が戻ることを切に願います。
関口