2011年1月30日

平成の高杉晋作達

代表取締役社長兼CEO 辻野晃一郎

毎日、多くの方々との出会いにいろいろと教えられることや刺激を受けること、心強く感じることも多い。「何故日本からグーグルのような会社が生まれないんですか?」というのは聞き飽きたFAQ(Frequently Asked Questions)のひとつであるが、私はまったくそうは思っていない。古くはソニーやホンダのような一代で世界企業を作り上げた井深さんや盛田さん、本田さんのような起業家は実際いたわけだし、最近でも、数は少ないかもしれないが、志の高い起業家は私の周りにもちゃんといる。

例えば、フリービットの石田宏樹さん。
http://www.freebit.com/
彼とはソニー時代に知り合ったのでもう長い付き合いになるが、ネット・ネイティブ第一世代の典型だろう。2000年に起業し、2007年に東証マザーズに上場、最近はオンライン広告代理店の買収や中国企業との提携など、矢継ぎ早の事業拡大意欲はすさまじい。必ず遠からず日本を代表するグローバルなネット企業の一つになるだろう。

milogの城口洋平さんとは、グーグル時代に知り合った。
当時はまだ東大の学生であったが、既に医療ビジネスを在学中に起業した学生起業家で、大学卒業と同時にmilogを旗揚げした。現在は、&Friendsというアンドロイドデバイスにフォーカスしたソーシャルアプリをローンチし、最初から世界を相手にした展開を本格化している。milogを起業した彼に昨年再会した時、その高杉晋作を彷彿とさせるような志の高さには大いに感銘を受けた。彼も世界に羽ばたく起業家として急成長して行くことだろう。

先週は、テラモーターズの徳重 徹さんにお会いした。
EV界でも、テスラやフィスカーのような米国勢ばかりが目立つが、テラモーターズはEV時代のホンダを目指して創業された。徳重さんは山口県(長州)の出身ということで、それこそ風貌も高杉晋作のように颯爽とした方だ。愛読書は「坂の上の雲」とのこと。まず、2輪でアジアから、という戦略のようだが、活躍が期待される。

コンテンツ制作の世界でも、T・O Entertainmentさんは小さな世界企業だ。
角川から本田武市さん、柴田維さんが独立して起業された。30人ほどの社員のうちの三分の一は外国人だそうだ。日本のコンテンツ産業は長く国内マーケット依存で来たが、今後、グローバルビジネスに脱皮して行く為には源流の制作が変わらなければ始まらない。T・Oさんは、まさに勇気ある一石を投じている存在だ。

このような頼もしい人達は今の日本にも確実にいるのだ。

2011年1月28日

『2050年の世界』

今月7日付けで掲載された英国インディペンデント紙の記事をご紹介します。
"Power will shift from the West but the rich will still be rich in 50 years' time"

記事の前半はGDPでいまや(ようやく?)世界第2位となった中国が、次はいつアメリカを追い越すのかという話と、後半は英国金融大手HSBCが発表した"The world in 2050"についての紹介です。

記事によると、まず中国がアメリカを抜く時期ですが、PwCが2020年、カーネギー研究所は2035年、HSBCは2040年代と予測しているとか。時期の前後はあれど、少なくとも今現在日本と同じくらいのマーケットしかない中国が、今後10年~30年以内に日本の3~4倍の規模に成長するということに違いはなさそうです。

そして面白いのが、2050年時点での世界各国の経済規模ランキング。


上掲グラフの上段にあるように、1.中国 2.米国 >(越えられない壁)> 3.インド 4.日本> 5.ドイツ 6.英国 7.ブラジル 8.メキシコ 9.フランス 10.カナダ...... となっています。

ちなみに、これら数値は ①経済政策(通貨の安定性、民主化レベル、政府規模等)、②人的資本(教育、健康レベル)、③現時点での一人当たり所得水準 を基に推測されています。

この数値がどこまで妥当性があるかはともかく、2050年の世界でも日本が世界4位の経済圏を維持しているということは、この閉塞感いっぱいの日本にあっては少し嬉しいお話です。(無論、前提として政府が財政破綻しなければでしょうが・・・^^;)

ともあれ日本にとっては最大の同盟国アメリカと、今や日本にとっては最大の貿易相手国である中国が今後の世界経済の主役であることに間違いなさそうです。日本にとって、これ以上に縁の深い国々があるのかというくらい、これはチャンスなのではないでしょうか!
日本国内の抗いがたい閉塞感もわかりますが、ただただ悲観的になるのではなく、これらの市場に対し、ビジネスの楔を一つ一つ打ち込んでいくこと、それだけがいま自分にできることのような気がします。

また上掲グラフ下段が一人当たり所得額なのですが、なんと経済規模上位15ヵ国の中では日本が1位になっています!(労働人口が-35%というダントツの人口減少が起きていることが大きいのですが。)中国との所得格差を比べてみても、まだまだ3倍近くあります。となると、生活の豊かさや文化的な豊かさにおいては、諸外国を魅了できるだけの要素が日本には残されるということではないでしょうか。
そこにチャンスがあります。

悲観するでもなく、楽観するでもなく、ただ黙々と自分のできることをやる。
そんな商売人でありたいと思う今日この頃です。
関口

2011年1月25日

日本のオリジナリティ

先日来、本ブログにアップさせて頂いている日本の商材の募集なのですが、現在も引き続き大きな反響をいただいております。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。

日本の優れた商材ということで、改めて日本の歴史、文化を振り返ってみますと、様々なところで「日本の多様性」を感じる場面に出会います。

















ちょうど1年前、遷都1300年に湧く奈良を訪問する機会があり、その際東大寺の「修二会」、一般的には「お水取り」と呼ばれる祈りの儀式を見学させていただきました。天平勝宝4年(752)以来、今日に至るまで1259回目に渡り、一度も途絶えることなく続けられている儀式です。

数メートルはあろうかという巨大な松明に火をつけて二月堂の欄干を走る、というシーンが有名ですが、今回は幸運にも真夜中に二月堂の中で行われる儀式も、見学させていただくことができました。火のついた大きな松明を持ち、呪文のような祈りの唱句を唱えながら、木造の二月堂の中を走り回り、祈りが行われます。

その光景は、インドの様でもであり、イスラムの様でもあり、日本の様でもある、という大変不思議な感覚が呼び起こされる光景でした。長い長いシルクロードを移動してくるプロセスの中で様々な文化や考え方が吸収され、終点としての日本でこうした儀式に昇華しているのかもしれない、と感じました。

様々な要素を受け入れ、オリジナリティあるものに昇華させる、これは日本の誇るべきオリジナリティです。考えてみれば、今のアニメや漫画も日本という枠、歴史的な背景を超えて、とてつもないストーリーが生み出され世界から評価を受けています。

終点は逆から見れば起点です。

シルクロードの起点としての日本から、今新たに発信するという大きな視点を持って、ワクワクしながらこのプロジェクトに取り組みたいと思っています。


ディレクター 北川

2011年1月20日

商材募集にご協力いただきありがとうございます。

ディレクター 事業計画・セールス担当: 杓谷 匠

先日1/12日のブログポストにて日本の商材を募集させていただいたところ、
大変多くの反響をいただきました。
ご連絡いただいた皆様、誠にありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
多くの人と新しい出会いが起業の醍醐味であり、弊社の財産です。
今後とも是非ALEXとお付き合いいただければ幸いです。

さて、引き続き弊社では日本の優れた商材を募集しておりますが、
若干の基準変更をいたしましたので再度掲載させていただきます。

・日本国内で生産または企画されたもの(必須)(※1)
・優れた技・技術・デザインが織り込まれていること(※2)
・商品にコンセプト(ストーリー)があること
・話題になりそうなもの
・全国的にあまり流通していないもの
これらのどれかが当てはまれば良いものとします

※1
商品自体がすべて日本製でなくても構いません。
日本で商品の企画がされたものであれば部品などが外国製でも構いません。

※2
伝統工芸の職人さんの「技」や高度なテクノロジーという意味での「技術」、
洗練された「デザイン」などどれかを含んでいれば大丈夫です。

商材に関してましては自薦他薦、BtoB、BtoC問いませんので
ご遠慮なくお問い合わせいただければと思いますので
こちらのフォームからご連絡いただければと存じます。
よろしくお願い致します。

2011年1月17日

日本の国際競争力

代表取締役社長兼CEO 辻野晃一郎

先週の金曜日の夜、NHKの「Bizスポ ワイド」にコメンテーターとして出演しましたが、その日の話題に、自動車会社の地方工場の話や、CES(毎年、年初に米国Las Vegasで開かれる家電イベント)で盛り上がったネットテレビの話がありました。はからずも、私の個人ブログの1月5日のエントリー「2011年以降」でも話題にしたのですが、今は、車も家電もダイナミックな再定義の時代に入っていると実感しています。


インターネットのbefore/afterで世の中は様変わりして、車や家電だけでなく、放送も出版も広告もマーケティング手法も、ありとあらゆる製品や世の中の概念やビジネスモデル等が大きく変わりつつあります。そして、その変化をドライブする中心にシリコンバレーなどのIT・ネイティブやネット・ネイティブのような人達がいるわけです。今はその人達が新しいゲームを次々と生み出し、世の中の新しい流れを創り出しています。日本のお家芸であり、日本の経済成長を支えてきた家電産業や自動車産業は、今後、これらの新しい流れを先取りするか、自分達も新しいゲームを生み出す側に回らないと次第に居場所がなくなっていってしまうと思います。また、言うまでもなく、アジア諸国も急成長中で、国際的に見ると、今や日本の存在感が日に日に薄くなってきています。

NHKの番組では、宮城県にトヨタ系列の自動車会社が小型車の生産工場を稼働させたことが最初の話題でした。村井知事も出演されて、工場誘致に至る苦労話や、地方自治体から国への要望などを熱く語っておられました。このような地方や民間の努力は実に見上げたものなのですが、問題は、国家としての競争力を上げないことには、どんなに地方や民間が努力したとしても、そこには限界がある、ということです。すなわち、法人税率低減や各種規制緩和など、産業を活性化させる国策や政策において、国際競争に打ち勝つシナリオを国レベルでも持つことが急務です。今の民主党政権に、経済再生に向けた思い切った国家戦略を期待できないのであれば、せめてequal footing(企業の競合条件を他国に合わせる)だけでも実現してもらいたい、と思います。中国や韓国やシンガポール等は、優れた国策と国家のリーダーシップによって急速に国際競争力を高めてきた事例とも言えます。日曜日の朝のテレビ番組で、アフリカでのレアアースを巡る利権獲得における日中の差をレポートしていたものも見ましたが、中国が採掘権の獲得や金属の精錬工場の建設を官民一体となって積極的に進めているのに対して、日本の取り組みが全く進んでいない様子に慄然としました。

日本が再び国際競争力を取り戻す為には、個人、企業、国などのそれぞれのレイヤーが強くならなくてはなりませんし、まさに課題山積ですが、我々ALEXも頑張って行きたいと思います。

2011年1月14日

遠くて近い夜空のカナタ

ここ数日、すっかり冬の寒さになってきましたね。会社の前にある小さな水辺にも氷が張るようになりました。

冬といえば、みなさんにとっては何の季節でしょうか?
スキーやスケート、鍋も美味しいですし、日本酒では新酒が出てくる季節です。でも今回ご紹介したいのは、ずばり“星空”!空気がきれいなこの季節、星がとっても綺麗です。

特にiPadで“Star Walk”というアプリを買ってからは、ぐっと星空を見る機会が増えました。このアプリ、天体に興味がある方には絶対オススメです!



画面はこのような感じなのですが、星の配置や動きから星座の名前、銀河・流星群の名前から、月や木星の満ち欠けまで示してくれます。

これさえあれば、オリオン座の三つ星から左下に見える明るい星がおおいぬ座のシリウスで、そこから左上にいくとこいぬ座のプロキオン、その左上に並んでいる双子星がふたご座のカストルとポルックスで、天頂に目を向ければ六角形に並ぶぎょしゃ座、その中で一番輝く星がカペラ。などなど、自分が今まで覚えられなかった量の天体情報がどんどんわかるんです!
もちろん細かく見ようと思えば、M42の中心部にはトラペジウムを主要な構成メンバーとする若い星からなる散開星団があり・・・など、自分では理解不能なことまで教えてくれます^^;

ふだん星座早見盤を持くことは難しいですがタブレットPCならいつでも持ち歩けるので、昔にくらべたら夜空もだいぶ近くなりました。そして星空を見上げていると、仕事中とはまた違ったモノの見方/思考回路が生まれてきますよね。

ふだんパソコンを使うことが多い方、この冬はぜひ星空を眺めて数千光年先の光に視点を合わせてみてはいかがでしょうか。
関口

2011年1月12日

日本の優れた商品を紹介してください。

ディレクター 事業計画・セールス担当: 杓谷 匠


ALEXを起業した目的の1つに、日本を世界に発信するという大きな目的があります。日本は世界から常に関心を持たれています。例えば、「kimono」という単語をGoogleのInsights for Searchで調べてみると世界中から検索されていることがわかります。その「kimono」のGoogle.comドメインでの検索結果を見ると、日本人の手で情報を発信し、商品を販売しているサイトは少ないように思います。日本の商材のことは日本人が一番よく知っています。日本人の手で情報を積極的に海外に発信できればと思いますし、ALEXはそのような活動をサポートしていくインフラになっていければよいと考えています。「kimono」や「sake」などはすでに世界中で有名ですが、日本人の手で情報を海外に発信することで、世界的には無名なものが海外に受け入れられていくという現象が今後起こっていくかもしれません。


それにはまず、我々が日本のことをよく知らなくてはいけないと考え、昨年末、メイド・イン・ジャパン・プロジェクト株式会社を訪問させていただきました。東京ミッドタウンにもお店を出店されており、オフィスも近いのでお店にも何度か足を運ばせていただきました。全国から集まった素晴らしい伝統工芸品が数多く揃っていて、思わず買ってみたくなりました。そこで私が気づいたことは、日本人である私自身が実は日本のことをよく知らないということです。裏を返せばそれだけ日本が多様性に満ち溢れているということです。昨今元気がない(と言われている)日本ですが、この多様性を日本人自身が再発見することで元気を取り戻すことが出来るのではないでしょうか。


そのような考えに基づきまして、下記の基準に合った商品を皆様からも紹介していただくという試みを実施してみることと致しました。


1、日本で企画、または生産されているもの(必須)
2、全国的にあまり流通していないもの
3、日本の優れた技・技術が使われているもの
4、面白いコンセプトやユニークな発想に裏付けられたもの


このブログを読んでくださっている方の中で、上記の基準に合った商品をご存知でしたらお問い合わせフォームよりご連絡いただければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。



2011年1月6日

2011年がスタート

代表取締役社長兼CEO 辻野晃一郎

あけましておめでとうございます。年が明けて寒い日が続きますね。

さて、弊社にとりまして、昨年は創業の年でした。そして、今年は事業を立ち上げ、軌道に乗せる年になります。その意味では今年は勝負の年でもあり、スタッフ一同大いに張り切っております。

ホームページのCEOメッセージにおいても述べた通り、我々の起業の原点は「日本の復権」にあります。日本の優れた商材を起点にして、それを世界に向けて発信することそのものを事業として行くことを目指していますが、その準備を進めています。もちろん、インターネットのパワーをフルに活用していきます。「日本の復権」にはこだわりますが、グローバルカンパニーを目指していますので、最初から海外の事業者、特にシリコンバレーの人達との提携や連携なども積極的に進めていこうとしています。

今年の前半にはもう少し具体的な内容を明らかにしていく予定ですが、実績もないうちから、いろいろと言い過ぎるのは慎むべきとの考えから、今は一歩一歩地道な準備を進めている段階です。

ところで、ファウンダーメンバーについて、多くの方がご興味を持っておられるようですので少し補足しておきますね。確かに、異色の組み合わせに見えるかもしれませんね(笑)。でも、我々にとっては、ごく自然な組み合わせなのですよ。私の独断と偏見ですが、弊社ファウンダーメンバーでは以下のようなことが共通点です。
  • 日本人であり、日本を愛し、日本に対する思い入れが強い
  • 世界に飛び出していくことが好きで、世界で活躍した実績を持つ
  • じっとしているのが嫌い、とにかく世界中を飛び回ることが好き
  • 人を驚かせたり喜ばせたりすることが無邪気に好き
  • 守ることよりも攻めることの方が得意
それ以外の共通点や謎の部分はおいおい明らかになっていくと思いますのでお楽しみに(笑)。

では、今年もよろしくお願い致します。


年頭にあたり、氏神様の赤坂氷川神社にみんなで初詣に行きました。


オフィスの近くには冬季限定の屋外スケートリンクもオープン