2017年11月29日

幸福な人生とは?  [2017年11月29日配信バックナンバー]

幸福な人生とは?

今年は、山一証券の破綻からちょうど20年目となるそうです。記者会見で「社員は悪くない」と号泣する野沢正平社長(当時)の姿が印象に残っていますが、当時の山一の社員たちは突如勤め先を失い、否応なしにその後の人生が大きく変わりました。しかし、この体験によって覚醒し、あたかもショック療法で蘇生したかのように人生を好転させた人達も少なくなかったのではないでしょうか。

サラリーマン生活は、知らず知らずのうちに人を受け身体質、依存体質にしてしまい、会社に自分の人生を預けたような生き方になりがちです。大企業での給与生活者の人生を歩んでいるうちに、いつのまにか自己責任で生きることを忘れ、何事も会社に責任転嫁して稼ぐ能力や胆力を退化させてしまうのです。ですから、山一証券が平穏で破綻しなければ平凡なサラリーマン人生を歩んだような人達が、この体験によって逞しく生まれ変わり、起業するなどで経済的にも大きな成功を収めているケースも多いのではないでしょうか。

脳科学的には、平穏無事な日々は、脳を衰えさせるそうです。想定もしなかったような困難に幾度となく行き当たる人生のほうが、それを乗り越える為に脳や生命力が活性化します。「幸福な人生」というと、何ごともない平穏無事な人生をイメージしがちですが、波乱万丈な人生こそ幸福と言えるのかもしれません。

散り散りばらばらになった山一の元社員の人達が20年ぶりに同窓会をやっている光景がテレビに映っていましたが、みんなで山一の社歌を歌っているその人達の姿をみて、そんな風に思いました。


辻野晃一郎コラム
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2017年10月25日

ME-BYOサミット神奈川2017  [2017年10月25日配信バックナンバー]

ME-BYOサミット神奈川2017

百歳時代到来に備えた健康長寿社会の実現は、先進各国にとって大変重要なテーマですが、世界でもトップクラスの長寿国である我が国には、課題先進国として、他国の参考になるような取り組みが期待されています。

神奈川県は、逸早く「未病(ME-BYO)」というキーワードを使って、いわゆる「健康特区」の県内設置や「マイ未病カルテ」の普及などに自治体として尽力してきましたが、衆院選直前の週末、箱根のホテルで丸二日間にわたり、第二回目の「ME-BYOサミット」と名付けた国際シンポジウムを主催しました。ご縁があって、私は一昨年に開催された初回に続き、今回は「IoHHでつくるME-BYOヘルスケア」というセッションを受け持ち、専門家の皆さんと活発なパネルディスカッションを行いました。

ゲストスピーカーには、前WHO事務局次長アサモア・バー氏や、医師で元宇宙飛行士の向井千秋氏が参加されましたが、向井氏の宇宙から見た健康のお話には非常に多くのインスピレーションをいただきました。「宇宙医学」という言葉もあるようですが、重力のない宇宙空間に長く滞在すると、人の骨格や筋肉は大きくダメージを受けるそうで、宇宙放射線の影響で発ガン率なども上昇するそうです。何より興味深く思ったのは、地球環境が人を始めとした地球の生命体に大きな影響を与えるわけですが、各種衛星を活用して、宇宙から「地球圏総合診断」を行うことが、ライフイノベーションや人類の健康管理に有効であるというお話でした。

8月から、「ウェザーニューズ」という民間の気象予報会社にも関わっていますが、宇宙から見た地球や大気のデータが気象予報の分野に革新をもたらしたように、今後は「健康予報」のような形で人工衛星の公衆衛生利用が広がっていくことでしょう。

辻野晃一郎コラム
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2017年9月29日

「今」が常に最高  [2017年9月29日配信バックナンバー]

「今」が常に最高

皆さんの周囲にも愚痴や不満の多い人が一人や二人はいると思います。いつも何かに憤っていたり怒っていて、いろんなことが許せないタイプの人です。いつまでもすでに終わった過去のことを後悔してみたり、中には歳をとったことを嘆いたり悲しんだり言い訳にしている人もたくさんいます。しかし、そのような生き方はもったいないと思います。

小泉純一郎元首相が「この人だけには勝てない」と「憲政の神様」とも呼ばれた尾崎行雄の話をしているのを拝聴したことがあります。憲政記念館の石碑に尾崎行雄が94歳で亡くなった年に残したといわれる言葉が刻んであるそうです。それは「人生の本舞台は常に将来に在り」という言葉です。「自分の本当の出番はまだまだこれからだ」という思いで生涯を生き抜いた、というわけです。

辛かったことも悲しかったこともすべて含めて自分の過去には何一つ無駄なことはない、その経験があったからこそ今があり、これからの将来においても何が起きるのかを常にワクワク・ハラハラ楽しみつつ自分の出番を想定して生きる、という生き方は爽やかです。その為には、幾つになっても、まさに今この瞬間がこれまでの自分の人生の中で最高の瞬間だ、と感じ取れる感性が大切なのだと思います。

辻野晃一郎コラム
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2017年8月28日

さまざまな人生  [2017年8月28日配信バックナンバー]

さまざまな人生

先般、俳優の滝田栄さんと知り合いました。NHK大河ドラマの常連で徳川家康を演じたり、劇団四季では「ジーザス・クライスト・スーパースター」や「レ・ミゼラブル」でも長年活躍されました。ここのところしばらくお見掛けしませんでしたが、なんと俳優やメディアでのお仕事は半ば引退されて、現在は八ヶ岳で仏像を彫っておられます。その仏像展を八ヶ岳の康耀堂美術館でやっているということで先日拝見しに行って来ました。展示は仏像だけでなく、その前からやっているという陶芸の作品もたくさん展示してありました。母上が亡くなられた時に供養の為に観音菩薩像を彫ったことがきっかけだったそうですが、仏像はどれも独特の表情をした趣のあるものでした。陶芸も、韓国の税関で国宝と勘違いされたという作品などもあり、どれも本格的なものでした。


夜は滝田さんのお宅でさまざまな手料理をご馳走になりましたが、長年料理番組の司会をやられていただけあってどの料理もプロ級でした。近くにアナウンサーとして活躍された小林節子さんが住んでおられて、小林さんはじめ近所の皆さんが合流して楽しい夕食会となりました。小林さんのお知り合いがやっているという近くのペンションに宿泊しましたが、オーナーのご夫婦は非常に雰囲気のある話し好きで魅力的な方々でした。ご主人は元ビジネスマンで米国や英国に長く駐在していたとのこと。現役引退後に、趣味の写真に最適な場を求めて東京から移り住んで夫婦でペンションを始めたそうです。


滝田さんは俳優稼業に疑問を感じてインドに渡り、2年ほどインドの聖者のもとで修行し、いろいろと神秘的な体験もされたそうです。一泊二日の短い旅でしたが、さまざまな人生があるものだということにあらためて思いを巡らせた印象深い旅となりました。

東山魁夷の作品のモチーフにもなったといわれる御射鹿池(みしゃかいけ)

辻野晃一郎コラム
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2017年7月19日

富士山登頂に挑戦! [2017年7月19日配信バックナンバー]

誕生月

私事ですが、私はこの7月で満60歳となりました。そう、いわゆる赤いちゃんちゃんこの「還暦」という歳です。確かに、人生における一つの節目となる年齢ではありますが、100歳時代ともいわれる長寿時代、超高齢社会を迎えている現代では、昔のような「老人」という歳ではありません。現在、日本では65歳以上を高齢者、75歳以上を後期高齢者などと定義していますが、本年1月、日本老年学会は、高齢者の定義を、「65歳以上」から「75歳以上」に引き上げ、それより若い人たちにはもっと就労やボランティアなどの社会参加を促すべき、という提言を行いました。

10~20年前と比較して、従来高齢者とされてきた65歳以上の人でも、体や心が健康で、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めているのが現実です。平日に街に出ると、男女を問わず元気な年配者で溢れています。この人たちが、ただ貯金や年金を頼りに余暇に時間を費やすのを止めて、長年の経験を活かして社会参加を続け、生産的な活動に携われば、それだけでどれだけ世の中は豊かになるだろうか、、、とよく思います。

私自身は、人生多毛作時代を念頭にこれからもチャレンジを続けていきたいと思っています。ちょうど50歳の年に第一回東京マラソンでマラソンデビューを果たしましたが、今年は今月末に富士山登頂に初めて挑戦する予定です。年寄りの冷や水とか、老害とかいわれないように、この年齢を新たな節目にして、これまでお世話になって来た方々に大いなる感謝の気持ちを捧げながら精進を続けていきたいと決意しています。

辻野晃一郎コラム
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2017年6月21日

ココロのバリアフリー運動 [2017年6月21日配信バックナンバー]

ココロのバリアフリー運動

当社で運営するCOUNTDOWNというクラウドファンディングの初期のチャレンジャーのお一人に池田君江さんという方がいらっしゃいます。私が池田さんご夫妻と出会ったのは、数年前に横浜の赤レンガ倉庫で行われたTEDでスピーチをする機会があり、その会場で出会いました。その後、池田さんが「ココロのバリアフリー」という活動を行うためのポータルサイトの開発費の調達を、COUNTDOWNでお手伝いするというご縁に繋がりました。

池田さんは、今からちょうど10年前の2007年6月に、渋谷のスパ施設で発生した爆発事故に巻き込まれて九死に一生を得ましたが、以来車椅子での生活を続けています。ご家族をはじめとした周囲の様々な励ましで元気を取り戻した池田さんは、バリアフリーというのは何もハードウェアの問題ばかりではなく、人の心の問題だということに気付き、全国から車椅子の方々の入店をサポートしてくれるお店を募った上記サイトの開発を行いました。その後、NPO法人を作ってその活動に更に力を入れています。このたび、認定NPO取得と、応援店1000店舗達成を祈念した会を催すとのことで案内をいただきました。

私にとって、池田さんは、障害を持つ方々についてさまざま考えるきっかけを与えてくれた貴重な存在です。普段の生活の中で、障害を持たれた方々との接点というものが驚くほど少ないことも思い知らされました。私の年下の友人に、ロボット研究者から転じて義足の開発をしている遠藤謙さんという人がいます。彼は、元陸上選手の為末大さんなどと一緒に、2020年のパラリンピックを目指したアスリート用の義足の開発などを行っています。その遠藤さんのコンセプトは、「テクノロジーで人間の身体機能を拡張する」、ということであり、陸上競技などではパラリンピックのアスリートがオリンピックのアスリートよりもいい記録を出すことも大いにあり得るといいます。すなわち、障害があっても、我々人間の身体能力には無限の可能性があるということです。

一方で、遠藤さんは障害のある人たちを特別扱いするのではなく、「障害が馴染んだ社会」こそが理想だと語っていますが、私もまさにそうだと思います。池田さんのココロのバリアフリー運動は、健常者も障害者も馴染んだ本来あるべき社会を作るための非常に意義深い取り組みだと思いますし、短期間でここまで活動のすそ野を広げられたことに対して、心から賛辞を贈りたいと思います。

https://www.countdown-x.com/ja/project/Y5529593

辻野晃一郎コラム
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2017年5月9日

5月連休明け [2017年5月8日配信バックナンバー]

5月連休明け

連休も終わり、早いもので今年も折り返し点まで残り一ヵ月半ほどになりました。フランスの大統領選挙では、決選投票でルペン氏が敗れて若いマクロン氏に決まり、EU離脱等の動きは一旦沈静化しそうですが、米国の大統領選と似たような展開で、どちらにも投票したくなくて棄権した国民が多かったようです。

必ずしも国民の大多数が支持しない人物が国家の最高権力者になる構図は、民主主義の限界と言えるのかもしれません。「国家」という統治の枠組みも含めて、長い歴史の中で人類が築き上げてきたさまざまな仕組みや概念が大きく揺らいでいるような気がします。

連休も明けてまた日常に追われる日々が始まりますが、同時多発的な世界的大変化の真っ只中にいる自覚を持ち、大局観を忘れずに行動していきたいものです。

辻野晃一郎コラム
このエントリーは2017年4月4日配信のALEXコーポレートメールマガジンのバックナンバーになります。メールマガジンの購読を希望の方はこちらのフォームからお願いいたします。